年末の気がしない。ま、いつものことか(笑)。
さて、時代の波に乗って、カズオ・イシグロさん原作の映画化作品を見てみました。キャストが豪華!
『日の名残り(The Remains of the Day)』(1993) 出演:アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、クリストファー・リーヴ
1950年代のイギリス。前の主が亡くなり、新しい主をアメリカから迎えた邸宅の執事が、以前同僚として働いていたメイドから手紙をもらい、再び彼女を雇うために会いに行く。その過程で、1920年~30年代に屋敷で起こった、様々な出来事を思い出す。
ストーリーは実に淡々と進んでいくので、終わってからも消化不良だったのですが、ネットでいろいろとレビューを読むうちに、そうか!そういうことか!とあれこれ腑に落ちました。
もうね、アンソニー・ホプキンスさん演じる執事が実直すぎて。しかも、その執事さん視点で描かれるから、それらがごく自然の光景に見えるのですが、見終わった後で考え直してみると、いや、それは違うよね!とツッコミどころ満載なことに気づきました…いやはや、完全に執事さんのペースに流されて見てしまいましたね。してやられた感で、いっぱいです(笑)。
でも、執事という仕事は、彼のようにカタイ人間じゃないと務まらないんでしょうね。屋敷で、国家の首脳が出席する会談が行われたりするわけですけど、もちろん守秘義務があるわけで。でもそこで、中途半端に教養や好奇心があったりすると、そこまで執事としての仕事に徹することができないと思うんですよね。
とにかく、没個性で、忠誠心の塊で、何があろうと決められた仕事を務め上げるプロだけが、執事のベテランになれるわけですけど… そんな生き方はどうなんでしょうね?… ワタクシには絶対向いていませんが(汗)、ある意味生活は安定しているように見えます。それぞれの人に見合う生き方って、ありますよね。
でも、屋敷の主が変わったように、時代は変わるのです。久々に会ったメイドさんと、またあの頃のような生活ができるのかと思いきや、急展開があって、思惑通りに事は運びません。もはや時代遅れになってしまった執事は… でも、ラストで、世界に羽ばたく第一歩を見出したのかも知れませんが、どうすることやら。
ということで評価は☆☆☆☆彡4つ半。味わい深い作品でした、が、原作を読んだほうがより楽しめそうな気がします。機会があったら読んでみよう~。それにしても、イギリス英語は分からない(苦笑)。WOWOWさんも、英語字幕が出るといいのになぁ~。