音楽朗読劇『ROAD to AVALON』@東京ガーデンシアター (2024/05/12 昼公演)

READING HIGHの新作と聞いて、とりあえずチケットを申し込みました。というのも、昨年の公演がことごとく落選で、結局見に行けなかったからなんですね。そしたら今年は見事に「当選」!そのとき初めて、ちゃんと作品の内容について見てみました。アーサー王伝説… 昔英文学の授業で学んで、ガウェイン卿についてレポートを書いたことがある!これはめちゃめちゃ楽しみ、と♪

東京ガーデンシアター

この春から、なんと東京へは地元駅から乗り換えなしで行けることになりました!ということで、今回初の、北陸新幹線始発駅から終着駅への旅です♪

まぁ、東海道新幹線を使ったほうが早く行けるんですけど、早割できっぷを取ったので、こっちのが安いし、やっぱり乗換なし&接続や寝てしまって乗り過ごす心配もなしとなると、こっちがいい☆

そして東京駅からはバスで会場へ。

会場入口

デカイ。

会場内のポスター

そして素敵☆ この隣には、新作の「Noir」のポスターも貼られていました。そちらも気になりますね☆

ということで座席に向かったのですが、上の方の階の1列目だったのが問題。眼の前に手すりがあって、終始、上下の手すりの隙間から見ることを強いられるという。しかも座席の前後間隔が狭いので、脚も窮屈… 後ろの人の脚も当たるし(汗)。で、なかなか厳しい環境でございました(苦笑)。

 

ROAD to AVALON

出演

ランスロット:中村悠一さん
モードレッド:杉田智和さん
ガウェイン:安元洋貴さん
湖の乙女&幼少期のアーサー王:沢城みゆきさん
ガレス:梅原裕一郎さん
アーサー王:諏訪部順一さん
アンブローズ・マーリン:大塚明夫さん

 

あらすじ

円卓の騎士を率いるアーサー王は、戦に負け続けていた。以前はエクスカリバーを手に、自ら最前線で戦っていたのに、最近では戦場に出ることがない。ついにはランスロットまでも手傷を負い、命を落としたと思われたが、彼は1年後にひょっこり戻って来る。しかし以前の彼とはどこか違っているようで…。

感想

 

以下、ネタバレを含みますので、お気をつけください。

ストーリー展開

そもそもアーサー王伝説は、ヨーロッパ各地に伝わっていたもので、それを15世紀後半にトマス・マロリーが『アーサー王の死 (Le Morte d’Arthur)』としてまとめたものが普及しています。したがって、例えば、イギリスに伝わっているものは、ブリテン人であるガウェインの英雄性がより強くなり、フランスに伝わっているものは、フランス人であるランスロットがよりカッコよく描かれていたりと、キャラクターの設定やストーリーがいろいろ異なります。

マロリーの『アーサー王の死』では、モードレッドが、アーサー王の不義の息子(騙されて子どもを作らされた)という設定です。そしてランスロットは、アーサー王の盟友なのですが、アーサー王の妻グウィネヴィアと密通しています。ただ、王の仕事が忙しいアーサーは妻の相手をすることができず、またイケメンで剣の腕が立つランスロットなら仕方ない、とアーサー王を含め周囲の人間は見て見ぬふりをしていました。しかしモードレッドが告発し、父と息子のバトルが繰り広げられることになります。…これは『スター・ウォーズ』のモチーフにもなっています。

というわけで、キャストにモードレッドの名前を見た時点で、これはドロドロするかも、と思いきや、みんな和気藹々としていて、ちょっと拍子抜けしました。…しかし、やっぱり裏切った!!!

それに加えて、正直ガレスって誰だったっけ!?と思いながら見に行ってしまったわけですが、まさかガレスが一番美味しいところを持っていくなんて(爆笑)。

そしてそして、エンディングは、きちんといろいろ回収して、原作とのバランスも取りながら上手にまとめてくださっていたので、見に行ってよかったと思いました。

 

演出

戦場の砦のような立体的なセットに、キャストのみなさんが立ち、生の演奏が繰り広げられる中朗読が行われました。そして、照明やスモークや火柱などいわゆる特効が繰り広げられ、重低音の爆発音が響き渡るなど、臨場感あふれる舞台演出でした。…凄くいい音♪

特に、マーリンが魔法をかけると、ムービングライトが対象物を取り囲んだり、力の分布(?)を表したりしてくれたのは、非常にわかりやすかったです。…人を空間に送り込んだり、連れ戻したりする様子は、スタートレックの転送みたいでした(笑)。…ワタクシ的に、大塚明夫さんを最初に知ったのは『新スタートレック』のライカー副長だったので、余計にツボるツボる(笑)。

もちろん特殊効果は何もなく、演者さんの朗読だけで、その場面を想像するのも面白いのですが、たまにはこういうわかりやすいのもいいですね☆

ちなみに、ステージの両側に大きなスクリーンがあって、演者さんが映し出されていました。おかげで、ワタクシのようにド近眼の人間でも、お顔をよく拝見できてよかったのですが、そのとき気づいたことがありました。…映像がずれていない!!!

昔は、ライブ・コンサートなどの映像って、音からはかなり遅れていたことが多く、見ているとテンポがずれて気持ち悪くなったりしていたのですが、最近の技術は素晴らしいですね!…今の人には、これが当たり前なのかもしれませんが(笑)。

 

エクスカリバーがすぐに抜ける件

石に刺さった聖剣エクスカリバーを抜くことができれば、王になれる、ということで、アーサー王伝説を題材にした作品では、その場面が特に重要視されることが多いです。そして、石に垂直にグサッと刺さっている剣を、もったいぶって引っこ抜く、ことになります。

しかし、『アーサー王の死』では、剣を振り下ろした形で刺さっており、アーサーはそれをいとも簡単に抜いてしまいます。しかも、周囲から要望があると、それを何度も何度もひょいひょいと抜いてみせます(笑)。

というわけで、今回の作品では、エクスカリバーが王だと認めない人物が触るとイカヅチが走るだとか、エクスカリバーの力に負けないように、マーリンが全力を振り絞って魔法をかけるだとかの場面を見て、大げさだな、と思ってたら、ガレスが見事にやってくれました(笑)。…会場からも爆笑が起きていましたが、あの抜き方が実は正しいのですよ(笑)。

 

役&演者さんについて

ランスロット:中村悠一さん

ランスロットは、先にも書いたように、いわゆる騎士の代名詞ともなるようなキャラです。…トランプのジャックは、ランスロットをモデルにしていると言われています。ワタクシ的には、色男であることが重要であると思っていたのですが、今作のランスロットは、純真無垢な爽やかおにーさんだったので、ちょっとビックリ(笑)。…でも、ランスロットの息子ガラハッドは、穢れがないことで聖杯を発見するので、まぁおかしくはないですね☆

ちなみに、アーサー王伝説を日本に紹介したのは夏目漱石だと言われていて、ランスロットに恋する女性を題材にした作品『薤露行(かいろこう)』も書いているんですよ。

中村悠一さんが演じるランスロットは、存在感&安定感がありましたね。どーんと構えていて、まさに騎士の鑑的な感じ☆ 主役がしっかりしているからこそ、周囲の人が生きてくるんだなぁ、と思いました。

モードレッド:杉田智和さん

今作では、ランスロットやガウェインと兄弟のように育ったものの、円卓の騎士として認めてもらえないことでひねている、というキャラ。これまた先に書いたように、『アーサー王の死』では厄介なヤツなので(汗)、前半は他の騎士と和気藹々としているところに違和感を覚えていました。しかし見事に裏切ってくれてあぁスッキリ(笑)。

演じる杉田さんは、実に素晴らしかったです。感情の起伏が激しい役で、それを見事に演じていらしたので、聴き応え200%でした。…杉田さんええ声や~、たまらん~と、何度思ったことか♪ ワタクシ的に、一番の収穫だったかもしれません。杉田さん素敵☆

 

ガウェイン:安元洋貴さん

アーサー王伝説で、ガウェインはアーサーの甥なので、王の頼れる腹心的な役回り、だったはずなのですが、フランスの作品では扱いが低く地味な人(汗)。そして今作でも、弟のガレスが最後に美味しいところを持っていってしまうので、ちょっとかわいそうな人です。。。

演じる安元さんは、先日『コメディ朗読劇 コンテリング~親の奢りで』で拝見したところでした。もちろん今作では、ふざけた場面は全くありませんでしたよ(笑)。豪傑ないいお兄ちゃんを、見事に演じていらしたと思います。

 

湖の乙女/幼少期のアーサー王:沢城みゆきさん

アーサー王伝説では、剣を折ってしまったアーサーに新しい剣を渡す、アーサーの死に際に湖から手を出して剣を受け取る、ランスロットの守護妖精の役割を果たしています。というわけで、ワタクシ的には「手」のイメージしかなく、今作では超重要人物… いや人じゃないのか、として扱われていることに、最初は驚きました。

しかも演じる沢城さんは、湖の乙女を人間離れしたキャラに仕立て上げてくださっていて、本当に素晴らしかったです。お衣装もまた素敵で、アーサー王伝説で、ランスロットへの恋が実らず川に身投げしてしまうシャロットの女、『ハムレット』に出てくるオフィーリアみたいな美しさでした。

そして幼少期のアーサー王を演じるときは、少年のお声で、これまた不安定な心理を見事に演じていらしてお見事でした。… お衣装は湖の乙女のままなので、最初はちょっと困惑しましたけどね。凄い役者さんです♪

 

ガレス:梅原裕一郎さん

ガレスは、ガウェインの弟で、頭がよく、ランスロットにもかわいがられていました。しかし、ランスロットとグウィネヴィアの不倫の現場を押さえに行った時に、ランスロットに殺害されてしまい、それがもとでランスロットとガウェインが対立することになります。…が、ワタクシ的にはあまり印象に残っていないのは何故なんでしょう(苦笑)。

演じる梅原さんは、ワタクシの最推しなので、演技等についてはあえて何も言いませんが… おいしい役回りでしたね(笑)。以前『Chèvre Note』をU-NEXTで見たとき、梅原さんの演技に大いに泣かされましたが、今度は大いに笑わされることになるとは(笑)。最近はアニメでも、ラスボス的な役回りになることが多いので、王に仕える忠実で聡明な騎士を演じる梅原さんを見れたのは、ある意味新鮮な感じがしました。

 

アーサー王:諏訪部順一さん

アーサー王伝説は、欧米では知らない人はいないと言われているほど有名です。特にイギリスでは、致命傷を負ったアーサー王は、アヴァロン島で傷を癒やしているだけで、イギリスがピンチのときには助けに来てくれる!と信じられているそうです。

ただ、アーサーがエクスカリバーを抜いて王になった後は、円卓の騎士の冒険譚、武勇伝が話の中心で、ラストで、モードレッドの裏切りによってランスロットやモードレッドと敵対するまでは、主役の座を譲ってしまうという、伝説になっているわりに意外と脇役的な存在という不思議な役回りです。

今作において、マーリンの力がなければ、王になることはなかったという点は、非常に興味深いです。王というのは、圧倒的なリーダーシップを取る人物と、周りのサポートが万全だから王として君臨できる人物の二種類がいると思うんです。アーサーは、圧倒的に後者で、その点から行くと、この作品はそれを見事に描いてくれていたのではないでしょうか? …梅原さんがお好きな「三国志」の劉備もこのタイプ。

演じる諏訪部さんは… ワタクシは以前から一度諏訪部さんを生で拝見したいとずっと思っていたのですが!そういうアーサーを演じていらしたせいか、意外と印象が薄かったのが、ワタクシ的にも驚きです。それは裏を返せば、最高の褒め言葉ということですよ!!!どの作品でも、諏訪部さんの存在感って、圧倒的だと思うのですが、その諏訪部さんが、ある意味影を潜めてしまう、というのは演出力であり、演技力の勝利だなぁ~と、感心しきりなのでございます。

あと、ガレスがマーリンのマントを着て、アーサー王のふりをするシーンがあるんですけど、つまり諏訪部さんが梅原さんの口調を真似て演じる場面ということで、それはそれは貴重なひとときでした!

 

アンブローズ・マーリン:大塚明夫さん

アーサー王伝説では圧倒的な魔術師で、アーサーの育て親、そしてサポート役です。たとえば、「ハリー・ポッター」シリーズのダンブルドア校長、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのガンダルフ、「スター・ウォーズ」シリーズのヨーダは、マーリンが元になっていると言われています。…どの作品でも、主人公の師となっているでしょ。

ただ、今作のマーリンは、弱っていて(汗)、ぶっちゃけ、マーリンが老いぼれて力を失わなければ、こんなことにならなかったのではないかという、影の主役です。…人騒がせな、もう(笑)。

演じる大塚明夫さんもまた、ワタクシが一度生で拝見したいと思っていた方でしたが、ただ魔法使いにしか見えませんでした(笑)。…いえ、ある意味、大塚明夫さんも老いぼれてしまわれるのではないかと心配になってしまったほど、役と一体化されていました。

 

まとめ

ということで、とにかく凄いものを見た!見に行ってよかった!というのが、この作品への感想です。

正直なところ、有名な作品をベースにしたものを見に行く場合、予備知識がない方が逆に純粋に作品を楽しめたりするのですが、この作品はある程度かじっているワタクシでも満足できる、素晴らしい作品だったと思います!

円盤もリリースされるそうなので、未見の方はぜひ☆

あと、ワタクシが会場についた頃には、グッズが全て売り切れで、何も買えませんでしたが(汗)、通販があるそうなので、そちらを利用したいと思います。

ここまで、長々とお読みくださった方、ありがとうございました☆

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