西林克彦『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』

ワタクシは文学部を卒業しているくらいで、今まで読解力に関してそれほど困った経験がないんですよね。それだけに、最近のいわゆるSNSでの炎上とかを見ていると、何で読めないんだろ?と疑問に思うことも多々あったので、kindle unlimitedで、人間ドックの待ち時間に(笑)読んでみました。

ちなみにワタクシの仕事は家庭教師で、集団の前で授業をすることもチラホラあります。文学部卒ということで、国語の授業を担当することもよくあるのですが、先ほども書いたように、国語ができない、という意味があまり分からず(汗)、試行錯誤の毎日です。

しかし、この本は、どういう状態が「わからない」ということなのか、どの段階が「わかったつもり」にあたるのか、どこまでいくと「わかった」になるのか、実際の文章も紹介しながら、具体的に説明してくれているので、目から鱗がボロボロ落ちましたよ!

たとえば、「全体の雰囲気という魔物」とは、「全体的にこういう話題について書いてあるから、こういうことなのだろう」と勝手に解釈してしまうという現象についてのこと。…ものすごく納得☆

それに関連した経験としては、ワタクシの生徒さんでも、二重否定に弱い子って結構います。「雪が降らない日がないわけではない」はつまり、「雪が降る日もある」ということですよね。でも、あるのかないのか、よく分からなくなってしまうらしい。反語に弱い子もまたしかり。

特に、否定の語を正しく解釈しないと、意味が正反対になってしまうので、気をつけないといけませんね。これは古文でもそうです。「~へ行かむとして」を「~へは行かない」などと解釈してしまうと、どんどん迷子になってしまいますよね。

いずれにせよ、きちんと細かく読まないと、解釈を誤ることがあるということです。でも、試験としての「国語」だと、問題にさえ答えられればいいや、という感じで、傍線部付近しか読まない子もザラにいますし、むしろ、全部は読まなくても答えを選べる!的なテクニックを教える参考書が出ていたりもしますけど、ワタクシ的には、きちんと読んでいても時間が足りなくなるということはないので、早く読む練習をしたほうがいいじゃないのかな?と思います。

きちんと読んでいれば、積極的に解答を選ぶことができますし… たとえば、選択肢の1番に明らかに正解と思われるものがあれば、それ以降は読まなくてもいいでしょ?…特に、英語の問題を解くときは、答えが出てきたらそれ以降は読まないなぁ。それよりも、ザザッとしか読んでいない場合、「あれどこに書いてあったっけ?」と該当箇所を探してウロウロすると、大きな時間のロスにつながりますよね。

でもそんなワタクシでも、大学在学中(注:2年前に大学を卒業しました)に比べると、読解力が衰えましたよね。でもそれは、読解力とは別のところに問題があったようです。

これまた先日、とある英語の長文の問題集で、「インターネットのせいで読解力は低下する」という文章を読みました。スマホとか、パソコンでインターネットをすると、広告を含めてたくさんの情報が一度に目に飛び込んできますよね。でもそれを、イチイチ全部読む人なんていないでしょ?

…かくいうワタクシもそうで、活字中毒のはずが、ネットをしているときに限っては、斜め読みをしてふんふんと分かったつもりになる… そもそも、ネットで何かを調べるときって、急いでいたりとか、そこまでの精度を求めていなかったりするので、何となく分かればいいや、という感じ。でもそれを続けていると、普通の文章を読むときでさえも、同じように端折りながら読むようになってしまって、見落とす部分が出てくると。

それを読んで、はたと思い当たりましたよね。ホントに最近集中力が続かない(汗)。読んでいるときだけでなく、映画やドラマを見ていても、集中力が途切れて途中で違うことをしたくなっちゃうんですよ(大汗)。

でもその文章には、訓練すればまた集中力を取り戻すことができる、と書いてありましたし、幸い(!?)今は入試のシーズンで、生徒さんから鬼のように過去問の山を手渡されるので、日々国語と英語を読みまくり!おかげで、わりと最近は、集中力&それに伴う読解力&分析力が戻ってきた気がします… 今年のセンター試験は、去年より大幅に得点がアップ☆

それと同じことが、若者にも起こっているのではないかと思います。最初に書いたSNSの炎上の原因って、半分(もしくはそれ以上)は、書いた人ではなく、読んだ人の読解力不足から起きているように思えます。ササッとしか読まないから、見落としが生じて、間違った解釈をしてしまう。しかも怖いのは、自分の解釈が合っているのかどうかって、自分では分からないんですよね(汗)。

だからこそ、国語の問題を解いて、自分の解釈が合っているのかどうかをきちんと確かめることはとても大事だと思います。…でも、先日も中学生の前で文章の解説をしたら、答えを写すことに必死になっている子たちがいて、いやいや、合っているかどうかではなくて、どうしてそうなるのかを理解することのほうが大事なのにな、と思ってみたり(苦笑)。

話はそれましたが、「読み取れない」という状態がどういうメカニズムで起こるのかを知る手掛かりになったので、非常に参考になる本でございました☆

結果ばかりを求めるのではなくて、過程を理解すること、つまり、文章をきちんと読むことって、ホントに大事ですよ!!!そして、文章を深く味わうことができるようになると、心も豊かになりますよ~☆ と文学部卒のワタクシは思うのでした。

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