京都市京セラ美術館『綺羅めく京の明治美術』『コレクションルーム』

ワタクシ、普段は月曜日がお休みなんですけど、美術館や博物館も月曜日はお休みなんですよね。。。ということで、ちょっと出遅れましたが、見に行ってきました。

ちょうど、5月の城陽市での『singsジブリ』のコンサートの日に、「綺羅めく京の明治美術」のテーマソングが、角野隼斗さんの「奏鳴」だというお知らせが出て、さっそくコンサートのときにチラシを頂いたんですよね。そして更に調べてみると、コレクションルームのほうで、西山宏太朗さんの音声ガイドが聞ける!ということで、2つセットで見に行くことにしました。

ただ、この日は朝と夕方以降に用事があり… しかも、朝の用事がすっぽかされ!!!何だかなぁ~とモヤモヤしながら、美術館へ。

そういえば、京都市京セラ美術館って行ったことなかったんですよ。すぐ近くのロームシアター(旧京都会館)には何度も足を運んだことがありますが、建物自体もこれまで意識したことがありませんでした(汗)。

外観はレトロなのに、エントランスは非常に現代的!!

館内では、アベンジャーズ展のみ時間指定で、他のものは、自由に観覧可とのこと。…「綺羅めく~」のほうは、前売り券を買っていたので、「コレクションルーム」の方のチケットを購入しました。…特別展のチケットを見せると割引になるから、現地で購入するようにと書いてあったのです。

 

-「綺羅めく京の明治美術-世界が驚いた帝室技芸員の神業」-

まずは、「綺羅めく京の明治美術-世界が驚いた帝室技芸員の神業」展へ。入場口付近では、BSフジで放送された、この展覧会の紹介番組が流されていました。

そして音声ガイドをお借りして、入場。…小型軽量タイプのね♪

…しかし、このあたりから、朝の事後処理的な連絡メールがいくつか来ていて、ワタクシ自身あれこれ考えごとをしていたのと、前の方が何やらてこずっていたこともあるのか、学生証を提示するのを忘れてたのに、チェックされなかった(笑)。

でも普通、音声ガイドを借りると、展示作品と音声ガイドの番号が書いてある紙を渡されるのですが、何ももらいませんでした。ただ、展示作品一覧は、場内でQRコードを読み取るとDLできるようになっていました。

ということで、「1」の番号どこ!?とキョロキョロしながら… 見つからへんけど、とりあえず再生(笑)!、すると「奏鳴」とともに、LE VELVETSの佐賀龍彦さんのアナウンスが流れ始めました。テンション上がる!

作品展自体は、開国後日本に入ってきた西洋の文化が、京都の芸術家にどのような影響を与えたか、という感じ。普通、明治時代の作品というと、「西洋文化>日本文化」な感じで、多大な影響を受けたあとの作品が多いような気がしますが、そこは京都という土地柄もあるのか「西洋文化<日本文化」と、西洋文化が入り始めた頃の作品中心だったので、こういう展示物を見るのは貴重な体験でした。というか、寺社仏閣は別として、日本画ってあんまり見たことがなかったですしね!興味津々です。

音声ガイドのトラックによって、『HAYTOSM』の中から、「愛の夢」や、ショパンの「ノクターン13番」が流れ、西洋の文化を取り入れ日本人のピアニストが演奏するという面で、この企画にぴったりだ!と思いました。

その反面、ナレーション自体は、…普段滑舌バッチリな声優さんのボイスをたくさん聞いているせいもあるのか、「頑張れ、頑張れ」と何やら応援したくなる感じ(笑)。ま、そこはご愛嬌ということで♪

ただ、なんかね、徐々に違和感を覚えていきました。

普通、展示物の横に書いてある番号を見て、それを入力して解説を聞きますよね。でも、まず、番号がなかなか見つからない… 見つけても、1つ後の番号だとかで、すぐに続き番号が見つからない(汗)。展示ルームに入って目を向ける、そこにお目当ての番号があってほしいのに、何だかもどかしい… 別に、音声ガイドは順番通りに聞く必要はないので、そこはまあいいか、と思ったのですが、、、

もう一つ。解説が始まると、すぐその作者の経歴の話が始まるんですよ。そして、その話が一段落すると、最後にその展示物の解説がちょっと流れる、という展開。…もちろん、この展示会の趣旨は、京都にゆかりのある帝室技芸員(要するに宮内省お墨付きの優れた芸術家)を紹介することなのですが、作品を見て番号を押している以上、まずはその作品についての解説がほしいなぁ~と。

…案の定、番号を押してから、他の作品もウロウロと見に行っちゃって、そしてまた、その作品に戻って来る必要があって、何だか効率が悪い(汗)。しかも、作品自体の解説が短いので、美術作品に疎いワタクシには、それで結局この作品の見所はどこなの!?と、イマイチスッキリしない展開に…。

…それとともに、引き続きわりと急を要するメールがあれこれ来るので、諦めて一旦ソファーに座りやっつけてから後半戦を見ることに(苦笑)。

というあれこれはさておき、サイズ的に大きな作品が特に印象に残っています。絵画だけでなく、織物とか、調度品とか。外国の展示会で好評を博した、と紹介されていましたが、それも大いに納得です!

その一方、日本画の中には、構図が謎なものもいろいろとあって… 普段西洋画の展覧会に行くことが多いからか、不思議体験だったのですが、結局謎は解けず。日によっては、関連プログラムがいろいろあるそうなので、そういうのに参加すればもっと理解が深まりそうですね☆

…それにしても、角野隼斗さんのピアノは好きだ~♪

そんな感じで、いろいろとモヤモヤしながら見ていましたが、角野さんの演奏がすべて浄化してくれるような感じで、なんとか集中力を維持し続けることが出来ました。採用してくださったスタッフさんには、お礼を申し上げたいです!

というか、単純に、ワタクシは「奏鳴」がめちゃめちゃ好きなので、もっと演奏してほしい~♪

 

続いてコレクションルームへ。

 

-[2022夏期] コレクションルーム 特集「幻想の系譜-西洋版画コレクションと近代京都の洋画」-

行ってみたら、音声ガイドは、展示室があるフロアの中央受付のところで借りてくるようにと言われたので、一旦出て、また戻ってきました。この音声ガイドは、特にヘッドフォン等はなく、本体から音が流れるので、耳に近づけて聞くタイプ。「他のお客さんの迷惑にはなりませんので、遠慮しなくてもいいですよ」と言われました(笑)。

…このタイプは初めてだ、と思って再生したのですが、あれ?聞こえない!?そしたら、係員の方に、何やら不具合が起きているようなので、交換してもらってきてくださいと言われ、またも一旦出て、戻ってきました(笑)。

展示室は、夏の名品、海辺の暮らし、という夏らしい企画から始まって、自館のコレクションを紹介するという展開。音声ガイドは、三宅健太さんと、西山宏太朗さん。

夏の名品のコーナーで、早速音声ガイドを聴き始めると、三宅さんの低音とともに、作品の解説が始まりました …音圧が凄い。そして作品についての話が一通りあってから、作家さん自身や関連事項についての経歴についての紹介がありました。

ほら~!普通はこれでしょ!!!

…今までは、それが当たり前すぎて、特に意識もしていなかった(苦笑)。

しかも、作品の解説が結構詳しくて、「この部分に注目」的なポイントを紹介されては、なるほど~と納得したり、他の作品と見比べてみたり。急に楽しくなってきました(笑)。

特に、今回の特集である版画のコーナーでは、今まで、エッチング、リトグラフ、シルクスクリーンとか、言葉は聞いたことがあってもどう違うのか知らなかったので、勉強になりました。それぞれの違いをまとめた解説(紙)をありがたく頂いてきましたよ。

…ワタクシ、小学校の通知表に「図画工作:がんばろう」と書かれて以来、図画工作も美術も大嫌いなんですよ。小中学校では「はい、絵を描いて~」って言われるけど、どうやって描けばいいのかは教えてくれないでしょ(汗)。あれ、どうにかならないんですかね(トラウマ)。。。

その一方で、作品数の割に、音声ガイドが聞ける箇所が少ないなぁ~と思って、頂いたチラシを見てみると、京都市京セラ美術館の歴史や、建物、コレクションについての解説がある!…西山さんだ!!!めっちゃほのぼのする~(ゴキゲン)♪

京都市京セラ美術館は、公立美術館として日本で現存する最も古い建築で、最近リニューアルされたということ。古い作品だけでなく、現代アートにも対応していると!

なるほど~と思いながら、次のお部屋に入ったら、ギュスターブ・モロー!オディロン・ルドン!!ル・コルビュジエ!!!と、シュルレアリスムのコーナーがありました。…このあたりは、仏文専攻だったワタクシには親しみがありあり☆ まさかこんなところでお目にかかるとは!

と思っていたら、次のお部屋は、北脇昇さん、小牧源太郎さん、今井憲一さんの作品に限って、スマホでの撮影可ですと!!!なんて素敵な☆

ということで少し紹介すると、

こちらは北脇昇さんの作品『意表』。トルソーの隣の木が、これまたトルソーの形みたいになっているとか、魂の象徴とされる蝶が、標本のようにピンで止められているとか、自由な芸術活動が抑圧されることへの批判を表しているのだそうです。

こちらも北脇昇さんの『流行現象構造』。x軸とy軸、関数で囲まれた各部分で、それぞれ何かを表現しようとしているとのこと。

他の作品も、幾何学的な要素があれこれ見られて、文系と理系の融合!というか、凄くオリジナリティある作品ばかりで、興味深かったです。

小牧源太郎さんの作品も独特で、さっき紹介したオディロン・ルドン(目玉を描くことで有名な画家)に通じるところもあり、涼しさを味わうことが出来ました(ゾクゾク)。

ということで、ややトラブルは発生しましたが、観覧終了~。

 

-感想-

「綺羅めく~」のほう、展示の仕方に改善の余地がある気がします。何だかもったいない。…コレクション展の方をあとに見たせいもあるのですが、そちらの印象ばかりが残っています(汗)。

あと、時間がギリギリだったので、カフェやミュージアムショップに立ち寄ることが出来なかったのはちょっと残念でした。でもまた次のお楽しみということで☆

…この美術館が、他にどんなコレクションを隠し持っているのか(笑)、それもまた楽しみです☆

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