慶應通信:新入生お役立ちガイド(2024年度版)

XのTLを見ていると、新入生のみなさんが合格通知や、教材の到着で一喜一憂している様子が伺えます。その一方、何処から手を付けてよいのやら!?とお困りの方や、その方々への先輩方のアドバイスも見かけるので、ワタクシも塾員&塾生の先輩として、いくつかアドバイスをしたいと思います。

ちなみにワタクシは、2001年10月に文学部III類に入学し、フランス文学の卒業論文を執筆し、2017年3月に卒業しました。そして2020年10月に法学部甲類に入学し、現在のんびり学習中です。

耐震工事前の旧図書館前

耐震工事のため、旧図書館の前のヒマラヤ杉が切られてしまいました。それが今ではキーホルダーとして販売されています。

 

入学当初にすべきこと

塾生ガイドを読む

卒業できるかどうかは、ズバリ「塾生ガイド」を読み解くにあると思います!あの本を読んで、慶應通信の様々なルールをしっかり理解することができる人なら、確実に卒業できるとさえ思っています(笑)。いきなりSNSで質問したりしないで、まずは熟読してください。

 

科目群一覧を見る (塾生ガイドpp.94-95)

基本的には、レポートを出すと科目試験の受験資格が得られ、レポートと科目試験の両方に合格すると、単位が取得できます。

科目試験は年4回あるのですが、一度の科目試験でA~F群のそれぞれ一科目ずつしか受験できないので、群がかぶらないように受験科目を選ぶことが大切です。

 

科目試験時間割表・実施地一覧を見る (塾生ガイドp.93)

あわせて、科目試験の時間割を見てください。4・7月の試験はA群→F群、10・1月の試験はF群→A群で、試験時間が決まっています。また地方で受験する場合は、回により受験地が異なります。ご自身のスケジュールを確認し、受験できる時間帯の科目を科目群一覧から選択するとよいと思います。

 

科目の選び方

普通課程や特別課程の方は、総合科目から攻めましょう。中でも外国語は比較的取り組みやすいのでオススメです。学士入学の方は、必修科目から取り掛かることになると思います。

必修外国語が英語の場合は、まずは「英語II」がオススメです。高校までの英語の復習になっていますし、テキストが非常にわかりやすく書かれています。

夏スクのときに撮った南館

 

よく見かけるお悩みへのアドバイス

慶應の英語は難しい

はっきり言って、感じ方には個人差があると思います。ワタクシは文学部時代、英語II、英語I、英語III、スクーリング(リーディング・ライティング)を受講しましたが、総合科目の英語はサクサクと単位が取れました。

高校程度の文法力があれば特に問題ありませんし、テキストを読まずにレポートを提出することも可能だと思います。しかしそうでない方は、テキストにしっかり取り組んでください。ワタクシ自身、慶應通信のテキストのおかげで、英語力が一段階レベルアップしたと感じました。

ただ英語VIIが非常に難しいようで、「D」だったというツイートをよく見かけます。よって、実際にテキストと、レポート課題を見比べて、取り組めそうな科目を選択するとよいと思います。あとは、労力を惜しまず、単語や文法事項をどんどん調べましょう。

 

テキストが難しすぎてわからない

慶應通信の指定テキストは、難解なものや古いものが多く、ワタクシも、未だに毎回そう感じています(笑)。よって、同じ分野のことを扱った読みやすい本に挑戦してから、テキストに戻ってきましょう。

例えば、歴史の場合なら、同じようなタイトルの本を図書館で何冊か借りて、同じ時代の項目を読んでみてください。法律の場合なら、「よくわかる〇〇」的な初学者向けの本を読んだり、YouTubeで解説動画を見たりして、基本的な知識や概要を押さえてから、テキストで理解を深めましょう。

わからないことを調べることで、学力は向上しますし、理解できたときの喜びは半端ありません!よって、諦めずに挑戦しましょう。そして一廻りしてからテキストを読むと、重要なことが的確にまとまったよい本だということを、実感できると思います。

 

学習計画の立て方がわからない

慶應通信の在籍者は、年齢も背景も様々な方がいて、勉強する目的も人それぞれです。最短卒業を狙う方もいれば、生涯学習としてゆっくり勉強を進めている方もいます。

よって、いつまでに卒業したいのか、という目標を決めて、1年で何単位、1回の科目試験で何単位、とわり算をしていくか、とりあえず毎回1科目は受験することを目標に取り組むか、のどちらかになると思います。仕事などのスケジュールを考慮しながら、自分なりの学習計画を立てていきましょう。

ただ、仕事があるのに6科目受験、というのは、あまり現実的でないように思います。1科目あたりの勉強時間が限られてしまい、合格が危うくなるよりも、3科目くらいを目標に、確実に合格していくほうが効果的な気がします。

ちなみにワタクシは、毎回1科目以上受験することを目標にしています。文学部はそれだけでいつの間にか卒業できていましたし、法学部もこれでいいか、くらいなノリです(笑)。資格試験にも挑戦したいですしね。

 

レポートの書き方がわからない

論述形式のレポートを書いたことがない方は、レポートの書き方を紹介している本を読んで見ることをおすすめします。

河野哲也『レポート・論文の書き方入門 第4版』(広告)

特に、参考文献の引用の仕方は重要なので、こちらの本で確認するのもよいと思います。

佐渡島紗織『レポート・論文をさらによくする「引用」ガイド」』(広告)

 

基本的に大学のレポートというのは、

1. 問題提起
2. 参考文献を元に、論述を展開
3. 結論

という形式ですが、科目(添削者)や分野によって、レポートのお作法が異なります。よって大学のレポートとしての体裁を最低限保つことができるようになったら、ひとまずレポートを提出して、コメントを元に書き直しましょう。

慶應義塾大学メディアセンター「レポートを書く
ウチのブログ「文学のレポートの書き方

も、参考にしてください。

 

慶友会に入るべきか否か

これも人それぞれだと思います。ワタクシは、文学部入学当初は慶友会に所属し、講師派遣等の行事にもいろいろ参加していたのですが、仕事的に土日は忙しいので、参加自体が難しく、いつの間にか自然消滅していました。

またスクーリング等でも積極的に友人を作っていたのですが、ワタクシがのんびり学習していたせいか、友人が先に卒業してしまう、またはいつの間にかいなくなる、のパターンで、結局は一人になっていました。まあ勉強は最終的には一人でやるものですし、特に問題は生じていないので、今後も入るつもりはありません。

しかし、早めに卒業したいと考える方は、入会して刺激を受けたほうがよいのではないかと思います。科目試験の過去問や、合格レポート、卒業論文指導やスクーリングの担当者の良し悪しなど、ネット上では聞けないことも、オフレコでなら聞ける場合がありますしね。

ただし、単位の取得=学業を修めた、ということにはなりません。単位がもらえたというのはあくまでも結果論で、学習の過程が重要です。そこは履き違えないようにしてください。

 

地方在住者がスクーリングに出席する場合

ワタクシは、最初ウィークリーマンションに滞在していました。しかし勉強や遊びに忙しく、料理や掃除に時間を割くのがもったいない!と思うようになり、それ以来ホテルに乗り換えました。

ただ、早めに予約しないと、途中で引っ越しをしなければならなくなったりするので、スクーリングのスケジュールが出たら、すぐに予約したほうがいいです。

今年の夏の出席を少しでも考えていらっしゃるなら、今すぐホテルを予約しましょう!!!

ちなみにワタクシは、いつも馬車道に滞在していました。日吉キャンパス、三田キャンパスのどちらに行くにせよ、電車で座ることができますし、帰りもまたちょっと電車でウトウトしておくと、夜遊びに行ったり、勉強したりする元気が復活するからです(笑)。何よりみなとみらいって、夜は結構空いてるところがいいです☆

 

勉強風景を一部紹介

ここで、ワタクシの勉強道具や、勉強の進め方を紹介します。

使用デバイス

パソコン(VAIO)

レポートや論文を執筆するには必要不可欠です。慶應IDでOffice 365を使わせていただけるのは、非常にありがたい☆ ただプリンターは持っていません。最近はほとんどの科目でWeb提出が可能なので、特に問題ありません。たまに何かを印刷しなければならないときは、コンビニかネットカフェで印刷しています。

 

iPad

ペーパーレス人間なので、紙のテキストは、全部電子化してiPadに取り込んでいます。惜しげもなく本を裁断し、会社かネットカフェの複合機で一気にPDF化。電子テキストもありますが、アプリが使いにくいので、基本的には「GoodNotes 6」でマーカーを引いたり、書き込んだりしています。

ちなみにiPad Airと、iPad miniを持っているので、語学の学習などはAirで書いて、miniに解答を見る、電車の中ではminiでテキストを読む、など使い分けています。

 

レポート作成

1. 科目を決めたら、県立図書館で関連図書を10冊くらい借りる
2. 必要なページをiPadに取り込み、マーカーを引く
3. 「GoodNotes 6」のノートに、使いたい箇所をまとめる(スクショ+貼り付け)
4. 3.でまとめた箇所を見ながら、パソコンでレポートを作成

文学部時代は、参考文献をコピーして、紙の資料をパソコン周辺に大量に広げながらレポートを作成していたのですが、今はiPadのおかげで、超スッキリ☆

科目試験対策

1. 1科目あたり2-3週間で見積もって、逆算して勉強を始める
2. iPadに取り込んだテキストに、マーカーを引く
3. 手書きでノートまとめをする
4. 試験会場に向かう電車の中で覚える

科目試験は当然答案に手書きする必要があるのですが、iPadにばかり字を書いていると、紙に字が書けなくなるんですよ(汗)。ということで、試験向けのノートまとめは、手書きでやるようにしています。

 

勉強場所

家では勉強できないタイプの人間なので、基本的にカフェかファミレス、公共施設で勉強しています。よく利用するのは、

コメダ珈琲店… Wi-Fi、コンセント完備なだけでなく、照明がちょっと暗めなので、タブレットがあまり反射しないところが気に入っています。ただ、普通の座席は座面が沈んで勉強しにくいので、壁際の席かカウンター席のような、座面が硬い座席がある場所がおすすめ。近所の店舗は、夕方から夜の時間帯はいつも空いているので、早めに仕事が終わったときには利用することが多いです。

TOMATO & ONION… すかいらーくのWi-Fiは結構速いですね!1時間で切れてしまいますが再接続もスムーズなので、特にストレスは感じません。コンセントもありますし、近所の店舗は空いていることが多いので、いつもお世話になっています。照明(スポットライト)&エアコンが直接当たらない席がいくつかあるので、そこを狙います(笑)。テーブルが若干ガタつくのが、唯一の難点。

近所の生涯学習センター… Wi-Fi完備で、飲食自由。もちろん無料。昼間時間があるときは、行くことが多いです。

とにかく、ダラダラしがちなので、まずは家から出るように心がけています。

 

BGM

カフェ等で勉強する都合上、周囲がにぎやかなので、ノイズキャンセリングヘッドフォンを使用しています。そのときに、ポモドーロタイマー仕様の動画を流していることが多いです。

ただ、勉強時間自体をあまり多く取れないので、休憩はせず、単純に経過時間を知るための手段として流している感じです。

ちなみに、慶應IDがあれば、YouTube Premium、Amazon Prime会員などに、学割が使えますので、手続きしておきましょう!

 

まとめ

最重要ポイント

当面の目標は、5月22日(水)までにレポートを提出する!

レポートを提出すれば、受験資格は得られます。まずはレポートを1本提出することを目標にして、書き方や提出方法を覚えていきましょう。そこから道が開けます。

続いて、自分のペースを確立する!

様々な塾生がいるのが慶應通信ですから、他人の話は半分くらい聞いておく程度でいいと思います。周囲に流されないようにコツコツと、自分で調べて勉強を続けていく習慣を作ることで、卒業へと近づくことができると思います。特に、入学直後にテンション上げて猛烈に頑張っている人に限って、いつの間にか消えていることが多いので(笑)、堅実にいきましょう。

 

余談

入学式のことでお悩みの方もいると思います。ワタクシは文学部時代、大阪でのオリエンテーションに参加しましたが、特に収穫はなかったので、行く必要はなかったと思っています。気持ちの問題ですね。

そもそも入学より卒業が大事!と思っていたので、単位が半分くらい取れるまでは、大学に行っていることを、周囲にはあまり言っていませんでした …中退とか恥ずかしいし(苦笑)。その分「卒業式」には出席したときは、感慨深いものがありました!

文学部時代は、1年間近畿大学の通信教育課程の科目履修生となって図書館司書の資格を取り、1年間仕事が忙しくて休学したので、実質14年半かけて卒業しました。100単位を超えてから卒業論文登録をし、3回の卒論指導を受けました。学業と仕事の両立は大変でしたが、主に仕事のやりくりが問題で、学業自体は楽しいことばかりでした!

文学部の足跡は「卒業証明書」に書いておりますので、興味がおありの方はどうぞ。

通信教育は孤独だと感じる方もいるかもしれませんが、個人的には自分のペースで納得いくまで進めることができるので、満足度が非常に高いと感じています。コツコツと続けてさえいればそのうち卒業できるので、一緒に頑張っていきましょう!

学位記(今はデザインが変わっています)

 

おまけ:慶應義塾にまつわる用語

塾生… 慶應義塾大学の学生を指す。

塾員… 慶應義塾大学の卒業生を指す。

先生… 基本的には、創立者である「福沢諭吉先生」だけに使える敬称。それ以外は、塾長であっても、塾生であっても「君」付けされる。ただ実際には、教授・准教授・講師のことも、一般的に先生と呼ぶ。

メディアセンター… 図書館のこと。学生証を通すと入館できるが、卒論登録を済ませないと、スクーリング時以外は本を借りることができない。

慶早戦… 世間では早慶戦と呼ばれるものが、塾内では慶早戦と呼ばれる。早稲田大学とはいいライバル関係にあるが、「法学部だけは絶対に負けない!」とある先生がおっしゃっていたのを聞いたことがある。

ちなみに、早稲田大学には教育学部があるため、全国から学生が集まり、かつ一匹狼的な人が多い。一方慶應義塾の学生は関東地方を中心としており、「三田会」の結束力の固さからもわかるように、横のつながりを大事にする人が多いと言われている。

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