映画『エタニティ 永遠の花たちへ』(2016)

「ブラタモリ」のパリ編、面白かったですね~。地産地消!うまくできているものだなぁ~と感心する傍ら、BGMにドビュッシーが流れていて、先日見たこの映画のことを思い出しました♪

語学のお勉強のこともあり、フランス映画は大体見るようにはしているのですが、この映画の感想を書くのは難しいですよ。だって、とにかく、赤ちゃんが生まれ、その一方で、登場人物がどんどん亡くなっていく、ただそれだけの繰り返しなんですから… ナレーションはあっても、セリフというものはほとんどなくて、クラシックの名曲をバックに、美しい映像を見せられていく、そういう感じの作品です。

実は、この映画の感想を書くべきか否か、迷ったんですよ。わりと映画は毎週のように見ていますが、よほどのインパクト&時間がなければ、感想を書くまでには至りません… 最近特に忙しかったこともあって、感想を書いていない作品のほうが多いです。この作品の感想も、数文で終わってしまいそうでした。

でも最近、読解力を養うためにはどうしたらいいか的な本をあれこれ読んでいて、「考えることが大切!」ということがキーワード的な感じだったので、敢えて、感想を絞り出してみることにしました(笑)。考えごとは得意ですよ☆

まず、舞台は、19世紀末のフランスから始まります。オドレイ・トトゥ演じるヴァランティーヌが、ジュールと結婚し、何人もの子どもを儲けていくのですが… 昔は幼くして亡くなる子どもが多かったことを、改めて実感させられます。子どもを10人も産むとか… それほど裕福な家庭だったということでもあるのですが、現代ではなんだか信じられない話ですね。

ここで、この映画の魅力の一つを紹介しましょう。それは、「映像が美しい」ということです。まぁ、美男美女の多いこと☆ 美しい自然の風景に、美しい子どもたち☆ もうビックリです。フランスって凄いなぁ~という感じですよ(笑)。

加えて、全編に流れるピアノ曲が美しい!バッハから始まって、ベートーヴェンや、ショパンやリスト、ドビュッシーなど、映像とよく合っていて、素晴らしいです♪  …サントラはないのかな?とApple Musicで探してみたのですが、なくて。。。YouTubeで、プレイリストを見つけた程度です… やっぱりね、特にドビュッシーとの相性が良かったですね♪ …ということで、本日は作業用BGMに、フランスの作曲家のピアノ曲をあれこれ流しておりました~♪

でも気になる点としては、ここに登場する大人の登場人物たちは、みんな配偶者や子どもへの依存度が凄く高いこと。よって、ヴァランティーヌの息子アンリや、その妻マチルドの親友のガブリエラらは、大切な人を亡くして苦しむシーンがあるのですが、肝心のヴァランティーヌは、同一人の寂しさを紛らわせていたのでしょうか?時々、お葬式に登場しますが… 息子世代に話が移ってからは、ほぼ登場するのは誰かが亡くなるシーンばかり。そのときに、孫たちと交流を図っている様子はうかがえるのですが、日頃はどう暮らしていたのでしょうか?…そこは、オドレイ・トトゥの出演料と関係あったりして(笑)?…生々しすぎるから、この話はここでおしまい(笑)。

いや実際、人生って、人がどれほど愛しても、何かしらの願望を持っても、ただただ淡々と過ぎていくものだと思います。生きたい!と強く願っている人ほど、早く天に召されたり、逆に生きたいと願う人に命をあげたい!と思っているワタクシは、無駄に長生きをしていたり、不条理だと思いつつも、どうすることができない、これが人生なのですね。生まれてくる命があれば、消えていく命がある。そこに何かしらの意味を見出そうとしても、意味はないのだろう、と思ってしまいます。よってワタクシは、今がよければそれでいい、というスタンスを貫いています(笑)。

だから、この映画を見ても、悲しい気持ちにはなりませんでした… あれほどたくさんの死を見たのに。大きな流れから見たら、その一部でしかないんです。生まれたからには、いつかは消えるのです。ごく当たり前のことを、ごく当たり前に見せてくれて、またこうあるべきだと思わせてくれて、凄く穏やかな気持ちになれました。

ということで評価は☆☆☆☆4つ。印象に残る映画でしたね。その一方で、お庭やヴァカンスで家族がのんびり過ごしている場面を見て、ワタクシもゆっくりしたいよ~!とかなり現実的なことを考えてしまい、現代日本で生きる辛さをしみじみと感じたりもしたのでした。。。

…なんだかんだで、そこそこのボリュームになりましたね(笑)。

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